元町3丁目にごっそり穴が空いて、新しい“沢”の流れができていた!!(※ここは以前は平地だった。) |
今回の土砂災害(=山津波)では、驚くべきことがいくつも起こっている。
そのひとつが、私は何ヶ月もたってから気づいたのだが、
町中に今まで無かった大きな穴が空いている!!・・・ということだ。
町中に今まで無かった大きな穴が空いている!!・・・ということだ。
上の写真では少し分かりにくいかも知れないが、これは元町3丁目という市街地のすぐ近くで、まったく新しい“沢”の流れが、何十メートルにもわたってくっきり掘りこまれているのである!!
(※伊豆大島には、晴天時に水の流れる川はないので、すべて“沢”と呼ぶ。)
おそらく、目測では、深さが2メートルくらい、幅は10メートルくらいはあるだろうか??
近くを流れる『大金沢』という大きな沢と、ほとんど同じくらいの幅である。
これが、長さ数十メートルから、もしかすると100メートルくらいの長さに渡って続いていて、最後に大金沢の擁壁コンクリートをぶち破って、沢に向かって落ち込んでいるのである。
コンクリートの擁壁をぶち破って大金沢に流れ込む |
これが、山の斜面を下ってきて土石流(=山津波)に勢い・スピードがある場所であれば、地面が激しくえぐられて新しいガリー(侵食されたV字の溝)ができても驚きはしない。
しかし、ここは市街地のすぐ近くで、傾斜が割りと平らになってきて、土石流のスピードも落ちてくるところなのだ。
それなのに、これだけの破壊力を発揮するというのは、改めて山津波の威力のすごさに驚かされる。
◇
そういえば、色々な人からの聞き取りや古い記録を読んだりしていると、今回土石流が流れ下る“流路”になった『大金沢』という沢も、つい55年前までは、ほんの細い小川に過ぎなかったそうだ。
それが、昭和33年(1958年)の狩野川台風で、一気に沢がえぐれて幅が広くなった・・・ということを聞いた。
それが、昭和33年(1958年)の狩野川台風で、一気に沢がえぐれて幅が広くなった・・・ということを聞いた。
ということは、少なくとも現在の元町地区の土台が(西暦1300年頃の噴火によって)できてからの数百年の間は、細い小川のような沢しかなかった・・・ということだ。
実際に、戦後まもなくの頃の元町周辺には、細い小川のような沢が何十本も細かく走っていたそうである。
(※現在は、昭和40年の“元町大火”後の開発によって人為的に幅の広い2〜3本の沢に集約されている。)
それなのに、狩野川台風(1958年)や今回の台風26号(2013年)によって、突如として、幅の大きい沢が出現するようになった・・・ということは、一体どういうことなのだろう??
単純に、過去何百年も降らなかったような大雨が降った、ということなのだろうか??
私には、どうもそのようには思えない。
なぜなら、狩野川台風から台風26号までの55年の間だけで見ても、何度となくこの2度の台風に匹敵するような大雨が観測されているにも関わらず、そこまでの大きな被害は他に発生していないからである。
とすれば、原因を単純に「雨量」と考えることは、少し早計であろう。
もしかしたら人間の開発によって、自然環境が変化し、それが沢を押し広げるほどの水害をもたらしたのではないのだろうか???
例えば、狩野川台風の時には、戦後の復興・開発ラッシュのために、伊豆大島を始めとして日本中の山から材木が伐り出されて「ハゲ山」になっていた。
そしてこれが、全国で多くの山崩れや水害を発生させた原因とも考えられているのである。
この頃の伊豆大島の場合も、木炭作りのために木を切り、やはりハゲ山状態だったそうである。
(※地表に良質な森林が発達していると、大雨が降っても、水が一気に地表に流れず、ゆっくりと地中に染みこんでいく。)
今回の台風26号による山津波にしても、「1986年の大噴火以降に行われた道路や砂防ダムなどの大型開発が影響を与えたのではないか???」・・・との疑念が、依然として払拭されていない。
ついでに言えば、1594年頃に「びゃく」と呼ばれる山崩れによって、縄文時代以来ずっと人が住み続けてきた集落が、(遺跡の地層から)忽然と姿を消していることが、よく今回の災害に絡んで取り上げられる。
これとても、私に言わせれば、1590年の徳川家康による江戸開府により、江戸湾の周辺地域から大量の木材が伐り出されたことと無関係とは思えない。
この時代にはまだ運河が開発されていないから、丹沢や伊豆半島などの江戸まで船で運べる地域から、木材が伐り出されていた。
おそらくは伊豆大島からは、生活燃料となる薪が大量に伐り出されたことであろう。もしくは製塩のために、現地で薪が消費されたということもあるだろう。
(※この時代に多発した山崩れが、人間による森林伐採が原因であることは、現在の歴史学の常識である。)
◇
このように様々なことを考慮に入れて行くと、このような巨大な沢が出現した・・・ということが、いかに異常な事態なのか・・・改めて、驚かされる。
そして、人間の開発活動と自然環境の激変ということについて、つくづく考えさせられる。
すぐ近くを流れる大金沢。この流域では、この沢が氾濫して大きな被害が出た。 |
ひでぴょんが穴で思ったのは、
返信削除in deep さんの記事です。
世界中で巨大な穴が突如出現する
という…
検索されてみてください。
解明されない歯がゆさがありますが、
現実の事象を共有されるのは将来、
何かの役に立つかもですよ。
がうっ
ひでぴょんさん、いつもありがとでしー。
削除in deepの見てみたけど、すごいねーー!!
伊豆大島のは、まぁ原因がはっきりしてるし、実際は穴というよりは巨大な「溝」というか「川」というかだけど。。。。
それにしても、あんな巨大な深い穴が突然あいたら、めっちゃ怖いね!!!!
くまっしぃがちょっと思ったのは、石油とか地下から掘りまくっているから、地中の構造のバランスが崩れてしまって、それで地球の裏とかの思わぬところに空洞ができたりして・・・ドカンと陥没!!!・・・なんてこともあったりしないのかなあ・・・とか。
そういえば岐阜でも、地下鉱山の影響で大陥没が起きてたよね。。。
がう!