※コミュニケーションとる余裕がないので、連絡やコメント頂いても原則お返事できません。

2019年8月15日木曜日

末期の命

皆さん(?)お久しぶりです!!
ブログを更新するのは、かれこれ5年ぶりになってしまいました・・・。

ほとんど誰にも連絡せずに居なくなってしまったので、迷惑をかけた人もたくさん居ると思うし、「あいつどうしたのかなー??」と思っている人も多少は居るかも知れません。
ごめんなさいです。

まぁ、どうせほとんど誰も見ないこととは思いますが、この場に事情というか報告を書いておこうと思います。

かれこれ10年以上前(もちろん災害の前)から、ほとんど体が動かなくなってしまって、「ほぼ寝たきり」状態だったのですが、病院へ行っても適当なこと言われるばっかりで、何が原因か分かりませんでした。

ところが最近、ひょんなことから「重篤な末期癌」であることが分かりました。

あはははー!!(*^^*)
そら、体動かんはずだわー(笑)!!
そして、年齢的にも癌はなかなか疑わないから、分からないはずだわー!!

てなわけで、原因が分かってひと安心です。(マジで)
いやね、原因が分からないで謎の体調不良がエンドレスに続くことって、なかなか辛いのですよ・・・。
だから、ある意味ですごく気が楽になったという次第。

なんか・・・雰囲気的に「あいつメンタル病んでるんだろーなー」て思われていることが多かったんだろうけど、ま、そうゆうことです!!

ちなみに、私のような既に体力のない人間が手術・抗がん剤・放射線などの治療をやったら、アッという間に死ぬだろうことは分かりきっているので、病院無治療&食事療法で過ごしています。
現在は、諸事情から伊豆大島を出て、某所でほぼネタ器り療養生活送っています。

今後、もし余裕があればですけど、ほんの時々このブログを更新して、今まで書き足りなかった思いなどを、自己満で好き勝手に書いてみようかなと思います。
そして、いつかは分かりませんが自分の納得いくところで、きれいサッパリとこのブログも関連サイト&SNSも消去してしまうつもりです。

最後に、もし誰かから連絡やコメントをもらいましても、人とコミュニケーションとる余力がほとんどありませんので、原則的にお返事いたしませんことをお断りしておきます。

あ、あと写真データの入っているPC立ち上げる気力がないんで、文字ばっかりになってごめんなさいでしー。
(スマホで書いてます。)

それでは、よろしくでーす!

[台風の日に]


2014年9月16日火曜日

東京での展示会にSPMモデルが出展!!

2014年9月19日(金)9:30〜18:00
東京 竹橋駅 学術総合センター2階
土研新技術ショーケース2014in東京にSPMモデルが出展!!

2014年9月20日(土)15時〜17時頃
伊豆大島 開発総合センター1階・大会議室


先日告知した通り、9月20日(土)に伊豆大島で、土砂災害を事前に予測する新技術「SPMモデル」を紹介する住民セミナーを開催する。

おそらく、島外でもこの新技術に興味を持って下さる方がいらっしゃると思うが、さすがに開催が伊豆大島では、島外の方が参加するのは難しいだろう。

そこで改めてご案内したいのが、セミナー前日の9月19日(金)東京で行われる「土研新技術ショーケース2014」という、土木関係の展示会である。
こちらの展示イベントに、SPMモデルの開発元である秋山調査設計が、この新技術を出展する。

SPMモデルの解説や、 伊豆大島での分析結果、さらには土砂災害の発生を直前に知らせてくれる独自の警報装置「ボールメッセンジャーシステム」などが展示される。

SPMモデルは、雨量や地形などのデータをもとにコンピュータ上で、いつどこで土砂災害(表層崩壊)が発生するか予測するシミュレーション・システムである。
もうひとつの「ボールメッセンジャーシステム」は、実際に山の斜面に設置しておいて、斜面が崩れ始める直前の現象をキャッチして、ふもとの住民に知らせるためのシステムである。

ボールメッセンジャーシステムの説明図
 
会場では、展示だけでなく、これら一連の予測システムの開発者である秋山健一朗氏本人による解説も行われる。

興味がある方は、ぜひこの東京の展示イベントへ足をお運び頂き、秋山氏に直接お話を聞いてみて頂きたい。

展示コーナーの見学は、参加無料で申し込みも不要となっている。

(※イベントの詳細は、土木研究所の公式HPを参照)

なお、こちらのイベントは、講演会と展示コーナーの2本立てて行われており、秋山調査設計は展示コーナーに出展しているので、参加する際はご注意を。
講演会の申し込みは、すでに締め切られている。

https://www.pwri.go.jp/jpn/news/2014/0919/showcase.html
独立行政法人・土木研究所が主催する新技術の展示会

◆東京での展示会について

セミナーの前日には、東京で行われる展示会「土研新技術ショーケース2014」に、秋山調査設計の予測技術が展示・出展されます。
日時 9月19日(金) 午前9時30分〜午後6時
場所 東京メトロ東西線 竹橋駅 学術総合センター2階(※展示・技術相談コーナー)
入場 無料 (※事前申し込みのない方でも、展示コーナーは見学できます。)
主催 独立行政法人 土木研究所

2014年9月1日月曜日

第2回・災害を考える住民セミナーを開催!!!

2014年9月20日(土)15時〜17時頃
開発総合センター1階・大会議室


◆テーマ

「山が崩れるその時を、予測することはできるのか!?」
   〜 土砂災害・予測システムSPM 〜


◆内容紹介

伊豆大島オープンアイランドプロジェクトでは、きたる9月20日(土)に、第2回目となる住民セミナーを開催いたします。

今回の住民セミナーでは、「土砂災害の事前予測」を可能にする技術として期待される、「SPMモデル」という新しいシステムを紹介します。

実は・・・・これまでは、「土砂災害の発生を事前に予測し、住民に知らせること」は、きわめて難しいとされてきました。

現在の技術では、「一定の目安」までは示せても、「どれだけの雨量が降れば、どこの斜面が崩れてくるのか」ということが、ピンポイントでは分かりません。
それというのも、土砂災害がいったいどのようなメカニズムで発生するのか、いまだはっきり分かっていない部分が多いのです。

そのため、2013年10月の伊豆大島でも、先日の広島でも、突然に、予想しなかった激しい雨量に見舞われ、避難する間もなく土砂災害が発生して、多くの方々が犠牲になってしまいました。

もしも、土砂災害の発生を事前に予測し、住民に適切な避難情報を提供することができれば、土砂災害による被害は、大きく減らせるはずです。

もちろん・・・・これまでにも、多くの研究機関や研究者が、土砂災害の予測システムの開発には取り組んできました。
しかし、必要なデータを集めるのに膨大な手間がかかってしまうなど、克服すべき課題が多く、なかなか実用化できなかったのです。

SPMモデルによる2013年伊豆大島・土砂災害の再現シミュレーション

それが、このたび秋山健一朗氏(秋山調査設計)によって開発された「SPMモデル」という新しい技術では、最小限のデータを入力するだけで、おおよそ60〜80%の確率で、土砂災害(表層崩壊)の予測をすることが可能になったというのです。

「SPMモデル」では、事前に、予測したい山の斜面の地形図・植生のコンディション・土質などのデータを設定しておけば、後は雨量を入力するだけで、いつどこで土砂災害(表層崩壊)が発生するかが予測できます。

このシステムの画期的なポイントは、ボーリング調査などの大規模な調査をすることなく、極めて簡易・省力的に予測が行えることです。

もちろん、より詳しく正確なデータを用意すればするほど、予測の精度も上がりますが、植生・土質などのパラメータは、推計値を使ってもある程度の予測が可能です。
将来的には、現地調査をしなくても、航空写真などをコンピューター上で分析することによって、かなり正確な予測を行うことができると考えられています。

それというのも、土砂災害(表層崩壊)は全国いたるところ・・・・それどころか、世界中いたるところで発生しており、その発生メカニズムには、共通の法則が見られることから、効率的な分析・予測が可能になったのです。

開発者の秋山氏は、長い間、災害調査の現場経験を積む中で、このことを発見し、土砂災害を予測する新技術「SPMモデル」を開発されたそうです。
秋山氏は、伊豆大島の災害現地の調査も行い、 「SPMモデル」によるシミュレーション結果と、実際の崩壊現場との比較も行っています。

今回のセミナーでは、「SPMモデル」開発者の秋山健一朗氏をお招きし、土砂災害(表層崩壊)がなぜ、どのようにして発生するのか、そしてそれをどのように予測するのか・・・・わかりやすく解説して頂きます。

今後、当プロジェクトでは、「SPMモデル」が伊豆大島住民の防災に活用できるかどうか、秋山氏と協力しながら検証していく予定です。
セミナーは、その出発点となります。

なお・・・・今回のセミナーは、今でも被災した元町エリアに住んでいる住民の方に多くご参加頂きたい内容ですので、会場は元町の開発総合センター(町役場)に設定させて頂きました。

セミナーには、どなたでも参加して頂けます

また、質問の時間も1時間ほど用意しますので、知りたいことをじっくり聞いて頂けます。
セミナーの後には、秋山氏と気楽にお話のできる懇親会も行いますので、ご都合があってセミナーに参加できない方も、ぜひ夕方からいらして下さい。

皆様のご参加を、お待ち申し上げております。

(※より詳しい内容を、後日、追加でUpします。)

※東京でも、この予測技術を紹介するイベントがあります!!
伊豆大島でのセミナーには参加できない方でも、前日の9月19日(金)には東京でこの予測技術を展示・紹介するイベントがあります。
会場では、開発者の秋山健一朗氏による解説も行われます。

興味がある方は、ぜひ東京の展示イベントへ足をお運び下さい。
(※下記、「東京での展示会について」を参照)


◆日時と場所について

日時 9月20日(土) 午後3時〜5時頃
場所 開発総合センター 大会議室
講演 秋山調査設計 秋山健一郎氏
入場 無料・申込不要、どなたでも参加できます
 (※セミナー後、懇親会あり) 


◆懇親会について

日時 9月20日(土) 午後5時30分〜6時30分頃(※午後7時まで延長可)
場所 開発総合センター 大会議室
入場 無料・申込不要、どなたでも参加できます
セミナー終了後、そのまま会場にて簡単な懇親会を行います。
仕事や用事があって日中はセミナーに参加できない人は、ぜひ懇親会にいらして下さい。
ご希望があれば、懇親会の中でもセミナーの概要をもう一度お話いたします。


◆問い合わせ・連絡など

セミナー主催者とのコンタクトは、右欄の「お問い合わせフォーム」よりご連絡下さい。
スマートフォンの方は、PC表示にすると「お問い合わせフォーム」が表示されます。
(※PC表示への切り替えは、記事の一番下より行って下さい。) 


◆東京での展示会について

セミナーの前日には、東京で行われる展示会「土研新技術ショーケース2014」に、秋山調査設計の予測技術が展示・出展されます。

日時 9月19日(金) 午前9時30分〜午後6時
場所 東京メトロ東西線 竹橋駅 学術総合センター2階(※展示・技術相談コーナー)
入場 無料 
主催 独立行政法人 土木研究所

2014年8月30日土曜日

豪雨災害が増加しているのは本当なのか??

こんにちは!!!
いつも言い訳ばっかりの、ヘタレくまっしぃです!!!!
ここのとこ長いこと、更新がたま〜〜になってしまってごめんなさい!!!

広島で発生した痛ましい土砂災害について、「伊豆大島ニュース」ツイッターの方に先行して書いているんだけど、こちらではそれらをまとめてもっと詳しく書こうと思っていて、なかなか手が回らないでいるです〜〜〜!!!

とりいそぎ、まずは書き上がったこちらの記事をアップするです〜〜〜!!!!


気候変動で集中豪雨が増えているのが本当なら・・・・


以前から気になっていたことがある。
マスコミが常日頃から、「地球温暖化や異常気象で、年々、集中豪雨が増えている」と報道しまくっていることだ。

それに乗せられて、私もついついそういう風に考えてしまいがちで、「これから、もっと同じような災害が起きるのではないか」と思ってしまう。
(※実際に南木曽町や広島で起きているし・・・。)

自分自身が、この島で何十年・何百年に一度といわれる大規模な土砂災害に巻き込まれたこともあって、どうしても「ありえない異常気象が起こっているのではないか??」という危機意識に捉われてしまうのだ。

そして・・・・実際に気候変動が年々激しくなっているのだとすれば、伊豆大島や広島と同じような土砂災害の被害が今後もますます増えていくことになるわけで、これまでの防災の考え方では「とうてい追っつかない」ということになってくる。

しかし・・・・。
本当にそうなのだろうか???
本当に集中豪雨は、年々増えているのだろうか???
集中豪雨も土砂災害もずっと昔からあるものだし、もしかしたらマスコミや政府お得意の「情報操作」によって、豪雨や災害が増えているという印象を植え付けられているだけではないのか???
・・・・という疑念が、一方では頭の片隅に常にあるのである。

ここはひとつ、統計データやちゃんとした専門家の意見を調べて、客観的な状況を確認してみないとな・・・・。
などと思っていたら、静岡大学の牛山素行教授が、「“豪雨災害という特殊な現象が近年激化している”というのは大ウソだ」とツイッターでつぶやいているのを見かけた。

そこで、思い切って、私の疑問点をツイッター上で質問させて頂いた。
以下が、その質疑応答の内容である。


静岡大学・牛山素行教授とのツイッター質疑応答





教えてもらったサイトを見てみたものの、集中豪雨が増加しているかどうかは、はっきりと書かれていない。
「見方によっては増加している」という、どっちとも取れる表現である。
むしろ、ニュアンスを深読みすると、集中豪雨の増加についても疑問を持っているようにも受け取れる。

調べてみたら、気象庁も、集中豪雨は「年々増加している」という統計データをとりまとめて発表していたので、それを示しつつ再質問してみた。
(※この「集中豪雨が増えている」という統計データにしても、そもそも、年々観測地点が増えているという影響もあるかも知れないので、そのまま鵜呑みにもできない。)








ここで私が指摘しているのは、世間やマスコミは、
「昔よりも防災対策が進んで風水害の被害が激減していることはちゃんと認めている。」
その上で、
「最近の気候変動によって、既存の防災対策が追いついておらず、今また災害による被害が増えつつあるのではないか・・・・と危惧している」
のではないか・・・・ということである。

つまり、世間の言いたいことというのは、
「これだけ文明が進んだ現代社会で、我々文明市民が、前近代的な自然災害に巻き込まれるなんて、大変けしからん事態だ!!」
ということだと思うのである。
まぁ、それはそれで、文明社会に特有の一種のヒステリーなのであろうが・・・・。

牛山教授は、どうもその辺のニュアンスを読み違えているのではないだろうか、と感じる。




確かに土砂災害による人的被害は減っているものの・・・・


聞きたいことはまだまだたくさんあったのだが、どうもこれ以上の回答は得られなさそうな雰囲気を感じたので、これ以上しつこく質問することは断念した。

私がさらに突っ込んで聞きたかったことは、
・ここで「被害が減っている」と言われているのは、自然災害全般もしくは風水害全般の被害のことであろう。
土砂災害単体で見た場合には、本当に被害は減っているのか???

・少なくともこの数年の土砂災害に限っては、2012年阿蘇、2013年伊豆大島、2014年広島と大きな被害が立て続けに発生しており、被害が増加する傾向が出ているのではないか??

・これまでは既存の防災対策によって被害が減ってきているのだとしても、一方で、気候変動によって集中豪雨が増加してきているのが事実であるならば、今後は土砂災害の被害も増加に転じる可能性が高いのではないか??
といったことである。
いずれも、きわめて重要な疑問であろう。

牛山教授の主張は、「風水害全般」「自然災害全般」の被害は減っている・・・・ということだ。
確かにそれは間違いなくそうだろうが、はたしてそこに土砂災害の被害も含めてしまっても良いのだろうか。

前後の一連のツイートが広島の土砂災害の関連のことであるだけに、ここではニュアンス的に見ても、明らかに土砂災害についても含めて言及されているものと思う。
けれども、牛山教授の示したページには、土砂災害についての統計データは載っていないので、土砂災害の被害が、本当に他の自然災害と同じように減少しているのかどうか・・・・実のところよく分からなかった。

そこで、後からさらに調べてみたところ、京都大学防災研究所の年報に、土砂災害についての統計データが見つかった。
 → コチラからダウンロードできるでしー。(※PDFファイル)

これを見ると、土砂災害の統計が取られ始めたのは、何と!!つい最近の1982年以降ということなのだが、それでもこの30年ほどで土砂災害による人的被害が、右肩下がりで下がっていることが明瞭に分かる。
災害の発生数はゆるやかに増加しているものの、確かに人的被害は年々少なくなっている。
(※資料2ページのFigure1.を参照。)

集中豪雨の増加に伴って土砂災害も増加してはいるが、また一方で、行政が進めている防災対策(主に砂防工事か??) によって、人家に及ぶ被害が確実に減少している・・・・ということであろう。

これだけを見ると確かに、防災対策によって年々被害が減ってきているという意味で、牛山教授の言っていることは正しいし、行政が無為無策で被災が繰り返されているという一部の人たちの主張はどうも間違っている・・・・ということになるようだ。


実態の土砂災害の被害は、「緩やかに減っている」のが実情では??


しかしながら・・・・1982年〜2010年までの「減少トレンド」にしても、「たまたま」だった可能性もあるわけで、まだまだ詳しい検証が必要なのである。 

例えば、土砂災害というのは、たいていの場合は地方(田舎)で発生している。
そして、統計が取られ始めた1980年代以降というのは、地方では急激に過疎化が進んで、人口そのものが減少しているのである。
つまり、それによって被害が少なくなった・・・・という「統計マジック」に過ぎないのかも知れないのである。

ところで・・・・統計を見ると1982年だけ突出して死者数が多いが、これは都市部である長崎で土砂災害が発生し、1回の土砂災害で262名もの人が亡くなっているのだ。 

今回の広島にしろ、1982年の長崎にしろ・・・・急斜面の直下に住宅街が広がっているような都市部で土砂災害が発生すれば、たとえ小規模な災害であっても膨大な犠牲が発生する。

他にも神戸など山すそに広がっていて危険な都市は多数あるが、それでも、そうした危険な都市部が日本全国に占める割合は、面積で見ると極めて小さい
だから、都市部の人口密集地域に、強烈な集中豪雨が発生して土砂災害が起こることは珍しく(10〜20年に1度くらいの割合か??)、統計上は「イレギュラー」に近いデータなのかも知れないと思う。

単に、人口の多いところで土砂災害が発生すれば被害が増えるし、人口の少ないところで発生すれば統計上の被害は少なくなる・・・・ということであれば、この統計が本当に「防災対策で被害が減少している」証拠になるのかどうか・・・・少々あやしくなってくる気もする。

もちろん・・・・昨年の伊豆大島の土砂災害でも、仮に砂防ダムが存在しない状態で同じ量の土石流が流れ下ってきたとしたら、被害は確実に10倍以上になったであろうから、別にこれまでの防災対策を否定するつもりはない。

砂防対策がしっかりなされているエリアでは、確かに被害が減っているかも知れないが、危険な箇所があまりに多過ぎて対策が充分にされていない地域がまだまだ多いのである。
しかし現実的には、全国津々浦々、充分な砂防対策が行われていない地域の方がまだまだ多いであろうから、無対策または対策が不十分なまま、土砂災害にさらされる地域が少なくない。

従って・・・・統計的には、被害を「緩やかに減らしている」というのが実情のはずで、土砂災害に関する限りは、「防災対策が被害を激減させてきた」というのは、どうも言い過ぎな気がする。

そもそも1982年以前には、土砂災害についての統計自体が存在しておらず、洪水や高潮などの通常の風水害といっしょくたに扱われているらしい。

確かに、風水害については、かつては1度に数千人・数万人規模の死者が出るのが当たり前だったが、堤防や防波堤などの防災インフラの整備によって、劇的に被害を少なくしている。
けれども土砂災害については、他の災害と事情が異なると思う。

土砂災害では、昔から被害の規模は1度に数人〜数百人で変わってはいないし、砂防ダム以外には、根本的な対策というものがまだ開発されていない。
砂防ダムなどの事業にしても、先に述べた通り行き渡っていない地域が多いのだから、劇的に減っているということは、どうも考えにくい。

つまり、「風水害の被害は激減しているが、土砂災害の被害はゆるやかに減少している」というのが、実情を表す妥当な表現であるのではないだろうか。


気候変動が事実なら、土砂災害による被害が増える可能性も高い


一方で、ここ数十年のスパンで見ると、集中豪雨が年々じわじわと増加しているのが事実であるならば、それに伴って、これから土砂災害による被害が増加していく恐れがある・・・・ということになるのではないだろうか。

何と言っても、この統計データは、1982年〜2010年という限られたスパンのものなので、2012年阿蘇、2013年伊豆大島、2014年広島、というここ数年の大きな被害については含まれていないのである。

上記の3つの大きな災害を考えれば、少なくとも2012年以降は、土砂災害による被害は、再び「増加トレンド」に入っていることは確実である。
気候変動が事実であるならば、来年以降にしても引き続き大きな土砂災害の被害が増加していく可能性はあるだろう。

・・・・もっともそうは言っても、私としては、気候変動や集中豪雨の増加についても、まだそのまま信じるわけにはいかない。
何しろ、研究者によっては、「地球が温暖化していることを示すデータはない」と主張している人もいるのだ。
どんなことでも、安易に信じるべきではない。

それでも踏み込んで言っておくと・・・・確証はないのだが、私としては暫定的に「地球温暖化はほとんど進行していないが、海水の温度は上昇しており、それによって気候変動が起こっている」のではないかと考えている。

地球規模の気候変動は確かに起こっているように思われるが、それは二酸化炭素などによる地球温暖化の影響というよりも、むしろ海水温の上昇に原因があるのではないか・・・・ということである。
何しろ・・・・原発を始めとして、人間の文明活動によって海洋に垂れ流されている「温排水」の量はすさまじく、それによって海水温は間違いなく上昇しているであろう。
それでもこれは、現段階の一時的な考えにしか過ぎないので、今後また判断を変えるかも知れない。

いずれにしろ・・・・この直近数年間の「増加トレンド」が、一時的な「たまたま」のものなのか、それとも気候変動によってこれからもどんどん同じような被害が増えていく「兆候」であるのか・・・・今後も注視して見ていかなければならない。

そして・・・・もしこれから土砂災害や被害が増えていくのであれば、それに見合った対策を、きちんと考えて実行していかなければならないのである。

2014年8月8日金曜日

くまっしぃファームはじめました!!!

こんにちは!!!
子どもの頃からずっと忘れ物が多かったのに、最近ますます歯止めがきかなくなり、船の中に、ぬいぐるみやらケータイまで忘れてきてしまうようになった、ダメ人間くまっしぃです!!!
2回とも忘れ物出てきて、東海汽船さんありがとうでしーー!!!

またもや長いこと更新が止まったままになってしまったのに、驚いたことにアクセス数はあまり減らないままだったでしーー!!!!
こんなへたれサイトを見捨てないでいてくれて、皆さん本当にありがとうございますでしーーー!!!!

くまっしぃ、長いこと撃沈していたりもして、まぁ色々な紆余曲折があったんだけど、ここへきてどうやら「息を吹き返した」らしいので、もいちどよろしくお願いしますでしーー!!!!

息を吹き返す・・・・って、こんな感じ???


ほんの小さな一角だけど、念願の畑作りをはじめました!!!


さて・・・・色々と書きたい記事はたくさんあるんだけど、無理のないペースで少しずつぼちぼちやっていくとして、とりあえず、個人的な近況などを・・・。

まぁ皆さまにはどうでもいい情報かも知れないけど・・・・今年は、仮設住宅の近所で畑の一角を間借りして、ついに念願の「くまっしぃファーム」を始めることができたよ!!!

くまっしぃ、伊豆大島にきてからずっと何年も、庭先で畑を作ったり、プランター栽培とか、生ごみの堆肥化とか、色々と「土いじり」の前段階のようなことをやってきたんだよね。

単純に畑がやりたい・・・・っていうのもあるんだけど、他にどこにもない特別な「食事療法」をやっているので、自分の求めるクオリティの食べ物を、自分で栽培したいという思いがずっとあったんだ。

去年までは、年間300日くらいは「寝たきり」だったので、庭先のプランター栽培すらなかなかうまくいかなくって・・・・それでも愛情を注いで作ってきたプランター菜園は、ほとんど土石流に流されてしまった。
(※思い出すと号泣。)

今年は、水作りがだいぶうまくいくようになってきて、動ける日が増えてきたので、思い切って「本物の畑」の一角を借りて、少しだけでも野菜作りを始めてみることにした。

5月の半ば過ぎに、苗をいくつか買ってきて植えたんだけど、まずはごく小さなエリアで始めて、少しずつ面積を増やしていきたいと思っている。

とりあえず、真ん中の一列だけを間借りしてやっているよ

この写真の通り、ほんのちっちゃな一角だけなんだけど・・・・。
後は写真に写っていないけど、別の区画で「雑草との共生スタイル」で、小豆を植えている。

なにしろ浄水器が壊れて大変で・・・・(言い訳)


こんなちょっとの面積だけなんだけど、5月半ばからずっと体調が思わしくなくて、なかなか頻繁には通えないでいる。

まぁ・・・・なにしろちょうどこの時期に、うちの愛娘2人が、そろいもそろって私の手作り浄水器を引っくり返してくれたので・・・・。
ぶっちゃけ、このくまっしぃ浄水器って、代用がきかないっていうか、作り直すのに何週間もかかるんだよね・・・・(がふ)
まぁわざとやったんじゃないから、怒るに怒れないしねぇ(泣)
でも、こんなところにわざわざ書くところがいかにも大人げないけど(笑)。まぁ笑って下され。

んで最近になって、ようやく作り直した浄水器が使い物になるようになってきて、それに伴って体調も回復してきたんだけど、それまではまともな水が飲めなかったのでし。

話がちょっと脱線するけど、この「くまっしぃ浄水器」を使えば、おそらくどんな病気でも治るんじゃないのか考えているんだけど、飲める水を作るまでにあまりに手間がかかり過ぎて、世間的な実用性にはまったく向いていない。

自分1人の飲み水を作るだけでも、毎日、何時間もかかっているので、他の人におすそ分けしたり、他の用途に使ったりすることができない。
何とか生産量を増やして「実用化」を目指すことが、今後の目標のひとつなのだ。

ちなみに・・・・この浄水システムは、文字通りこれが無くては生きていけない私の生命線であり、去年の土砂災害時にもちょっとした苦労をした。
道路が完全に通行不能になっていたので、私は毎日片道1時間かけて、泥だらけの山の斜面を歩いて登り、山の上の家から、浄水システムの関連用品を避難所に持ち出したものである。


無肥料の自然栽培こそが、「食事療法」のもうひとつのカギ


それはそうと、そんなわけであんまり頻繁に世話ができなかったんだけど、植えた苗は何とか成長してくれて、こんなちょっとした収穫をもたらしてくれた。

これが、くまっしぃファームの初収穫でございます

まぁ、一家3人の食事には一食分にもならない量なんだけど、それでもこんな大きなシシトウが成ってくれたことや、ナスが何個もできたことには感動!!

体調が良くなってきたら、冬野菜からもっと面積を増やして本格的にやっていきたい。
いずれは、自分の家で食べる野菜くらいは、全部自給できるように。

今は災害のことでなんだかんだと色々やっているんだけど、もともと私くまっしぃは「食事療法」を実用化して身を立てていくことを考えている。
なので、将来的にはもっともっと本格的に取り組んでいくことになると思うが、今は無理のない範囲でゆっくりスタートして、とにかく継続していくことが大事だと思う。

くまっしぃの食事療法(略してKumashock!!)では、食べるものには「農薬を使わない」「化学肥料を使わない」 のは当たり前のこととして、さらには「有機肥料を含めた肥料を一切使わない」ことを重要条件としている。
本当はもっと厳しい条件がついているんだけど、こうした農作物の栽培方法は、一般に「自然栽培」「自然農法」と言われている。

今育てている作物でも、完全ではないが、できるだけこの条件に沿って育てるようにしている。


手入れがズボラで危ないところだった・・・・


それにしても・・・・苗を植えてしばらくした頃、トマトとメロンがかなり弱って枯れかけてしまったので、これはもうダメだと思ったことがあるでしー。

よく観察してみたところ、まわりにいっぱいスギナが生えていたので、肥料の影響で土壌が酸性化しているのではないかと思われた。
(※スギナは酸性土壌によく生えると言われている。)

確か、トマトもメロンも酸性土壌には弱いはずなので、根が定着する前に弱ってしまったのだろう。
そこで土壌の中和のために苦土石灰をまいておき・・・・また、通常の肥料では土壌の酸性化が進むので、肥料の替りに周辺のセイタカアワダチソウを刈ってきて苗の周りに敷き詰めておいた。

それが功を奏したのか、それとも知らない間に畑のオーナーさんが何か効果的なケアをしてくれたのかも(??)知れないが、何とか両方ともスクスクと育ってくれている。
(※収穫はまだでしー)

まだまだ「ファーム」と名乗るにはおこがましい段階ではあるが、何事も気分が大切ということで、お許し頂きたい。
毎日元気に、こうした生活ができるようになる日を心待ちにしているでし。
畑のオーナーさんはじめ、皆さまに感謝しているですーー!!!!

2014年6月27日金曜日

かくして、くまっしぃの提案は1行に要約されていった

こんにちは!!!
最近テレビで、毎晩ヌイグルミを抱いて寝る「ぬいぐるみ男子」なるものが急増している・・・という話題を見まして「へぇ、イマドキはそうなんだぁ・・・」などと普通に驚いていたら、娘たちから「あんたのことじゃん!!」と言われてしまった、くまっしぃです!!!
あれれ???そーだったのか????

それにしても、ここのところ、「復興町民会議」の話題ばかりになってしまって、しかもその話題も飛び飛びにしか書いていないので、伊豆大島の動向をお伝えする役割をきちんと果たせていなくて、誠に面目なく思っているですー。

それでも、何とか少しずつでもお伝えしていきたいと思っているでしー。

サンセットパームラインから見る、伊豆半島に沈む夕陽

会議というのは、あくまで政治的な場であって・・・


ところでまぁ、くまっしぃがやっているような、行政に働きかけたり、情報を世間の皆様にお伝えするような活動は、堅苦しい言い方をしてしまえば一種の「政治活動」ということになるわけなんだけど・・・・世間知らずなヌイグルミ男子には、その辺の世の中の仕組みが、まだよく分かっていないのである。

例えば、「復興町民会議」というものは、言ってみれば「町民が自由に意見を述べられる場」「町民の声を今後の復興に反映させる機会」ということなので、くまっしぃとしては、これは大変に画期的な機会になるだろうと期待していたわけなのである。

だが実際に関わってみて分かってきたのだが、会議というものは、まず第一に行政サイドからの提案を「承認する場」という機能があり、 第二に「住民の総意をまとめる場」である。
いずれにしろ、結局は数の力が物を言うのであり、個人で提案する事柄は、全体の流れの中では簡単にかき消されてしまうのである。

会議というものは・・・・ざっくり言って普通の「議会」というものと、本質的にはまったく変わらないものだということが、中に参加してみてよく分かった。
自分の意見や提案を通すためには、仲間を集めてグループ(つまり派閥??)を組んでいかなければ、難しいだろう。

正直なところを申し上げれば、私は世界の政治の流れは既存の「議会制民主主義=間接民主制から国民1人1人が物事を決める直接民主制に向かって変革していると思っていて、今回の「復興町民会議」もそういう新しい流れになるかと期待していた。

だがまぁ、よく考えてみれば・・・会議なんてものはもっとも古くさい政治手法であって・・・我が日本国でも、古くから物事を決めるのは会議というシステムを使っていたわけだ。
この極めて伝統的なシステムに、革新的な動きを求める自分の方が、明らかに間違っていた。

会議というのは、議会選挙のような形をとっていないだけで、有志の町民や町の有力者が集まって、根回しや多数派工作を駆使しつつ、物事を決めていくわけである。
あくまでも伝統的な間接民主制のシステムそのものであった。

伝統と言えば、日本にも会議をベースにした間接的民主制度が古くから存在していたことは、一般的にはあまり知られていない。
だが、戦国大名ですらも政治方針を決めるには、基本的には会議を開いて家臣の承認を求めなければならなかったのだ。
(※この慣習を破ったのが、日本史上唯一の独裁者である織田信長なのだが、その辺の話はまたいずれ。)


無数に寄せられる提案は、ほとんど実現されない


さて・・・・この会議では、多数の住民から要望が寄せられることは、最大限実現に向けた努力が払われる。
具体的には「砂防ダムより下流の沢流路を拡幅してほしい」との要望が多数出されており、これには行政も重い腰をあげて実施に向けて動き始めている。

だが、それ以外の無数の提案の数々は、ただ「こういう要望がありました」として報告書に言葉が羅列して記載されていくだけで、実現に向かうかどうかは極めて不透明だ。

実現に向かわなくとも、とにかく「意見を聞きました」という既成事実ができるわけで、住民の意見を無視せずに尊重したことになるわけである。

しかも、会議で提言される内容の多くは、どの道、言われなくても行政が実施に向けて準備しているようなことばかりだったりするので、わざわざ言っても言わなくても結果は同じだったりする。
つまり実現されるものは、会議で提言されなくても実現されるし、そうでないものはいくら提言してみても、意見として文書には残るが、実際にはほとんど実現してもらえない。

まぁ・・・こうした会議以外にも、町役場や町長のもとには、色々な人から無数の提案や意見が毎日寄せられているわけなので、それらすべてに前向きに対応するなんてことは、物理的にもできるわけがない。
なので結局は、とにかく最大限に「意見を集約」して「できることをやる」ということになってしまう。

それはそれで、ひとつの「民主的な仕組み」ではあるのだが、そうすると、とかく少数意見は無視されがちだし、必ずしも合理的な判断に基づいて物事を決めることができなくなる。
しつこいようだが、「政治的な場である」ということは、必ずしも「論理的に物事を話し合って決める場」ではないということを意味していると、私は捉えている。


個人で具体的な提案を出しても、残るのは抽象的な一文だけ


ところで・・・下記に掲載するのは、私が先日の「防災まちづくり分科会」に提出した提案書である。
具体的かつ詳しく内容を考えて提案してみたものの、多人数での限られた時間の議論の中では、どうしても「あたりさわりのない文言に内容を要約して報告書に載せる」ということになってくる。

そうすると、これだけ具体的で詳しい提案を出したとしても、「ツイッターを利用した住民からの情報の共有を図ってはどうか」「流木が詰まりにくい橋の構造の検討・研究を希望する」といった感じの、実効性のない一文に要約されてしまうことになる。

個人個人が、いくら具体的な提案・提言を出したとしても、会議の過程でどんどん削られていってしまい、あたりさわりのない抽象的な内容だけが最後に残されることになるのだ。

もちろん、これは会議というシステム上、どうにも仕方ないことで、多数派を形成して圧力をかけない限りは、最終的な報告書(いわゆる「復興計画」に、自分の意見を何とか一文にして挿入するのが関の山なのである。

別にそれをどうこうクサスつもりではなく、そういう「世の中の仕組み」というものが、ようやくこのニブイくまっしぃにも分かってきた・・・ということでしー。

それでもとにかく、「ツイッターの活用」「情報の共有システムを作ろう」「橋の構造を考えるべき」などの文言を、たったひと言でも復興計画に入れておかないと、最初から「問題がなかったことになってしまう」ので、個人としては、後々のためにもひたすらそういう努力をしていくしかない。

「復興計画」のような公的な文書に、こうして一文でも課題や提案を入れていくことこそが、ひとつの地道な政治活動なのかも知れないと考えている。
と言っても、それ以外にもできることは色々あって、物事を実現させていくためには、提言するだけでなくそれ以上に様々なアプローチが必要なのだが、それはまた別の機会に書きたいと思う。

※以下は、「防災まちづくり分科会」にて提案した内容


防災まちづくり分科会・提案 (6月20日 くまっしぃ委員)

 6月15日北の山防災説明会にて、「防災無線が聞き取れない。あるいは聞き逃して困ることが多い。後から、防災情報がテキストベースでも見られるよう、無線だけではなくタブレットのようなシステムにも対応してほしい」との要望が出された。
 これに対して行政側からは、「業者からシステムの売り込みは多数来ているが、予算がだいぶかかるのでなかなか難しい。・・・・いちど業者にきいてみる。」との心もとない回答があった。

 先日の本分科会でのS委員からの「住民からの災害情報を集めるシステムを作ってはどうか」という提案と併せて、どちらも簡単になおかつほとんどコストをかけずに実現する方法があるのにも関わらず、業者任せの高コストのシステムしか考えないのはナンセンスである。

 先日の2014年大豪雪(2月14日〜15日)の災害の折、長野県佐久市では、ツイッターを使って住民からの情報を集め、市全体の被災状況を迅速に確認し、どこの自治体よりも早く指示・対応することができたという。
 これにかかったコストはゼロである。
 大島町でも、既に「防災おおしま」(※防災無線)の情報をツイッターで流しており、基本的にはこれの延長線上で良い。
<提案1>.災害時には、「防災おおしま・ツイッター」に住民からの情報の投稿を受け付けることを呼びかける。
これによって行政が情報を集めることができるだけでなく、住民同士でも情報の交換や共有が行えるようになる。情報の共有は、パニックを防ぐ意味でも重要であろう。
<提案2>.業者を一切使わず、自前で情報端末(スマホ・タブレット)を調達し、通信回線も自前調達すれば、予算はほとんどかからない。
自前のスマートフォンなどで「防災おおしま・ツイッター」が見られる人は、<提案1>の内容で充分であるが、自力でツイッターが見られない人には廉価な情報端末の配布や、使い方のレクチャーなどの支援が必要であろう。
 情報端末を業者を通さずに自前で調達した場合、国内メーカーのものであっても「スマートフォン1万円、タブレット2万円」程度であり、4万円以上かかる防災無線端末よりかなり低コストである。そればかりか近日中に、民間の国際組織から「25ドルスマートフォン」(firefox phone)が発売されることも決定している。
 通信回線も一括でドコモ携帯回線を法人契約した場合、端末1台あたり月額400円程度である。
 予算がとれないとする場合には、有志の住民だけが自己負担で申し込む形もありうるのではないか。そうすれば予算はゼロでも実現できる。
 端末の初期セッティングも「防災おおしま・ツイッター」が見れるようにするだけで簡単なので、町職員だけでなく、町内支援ボランティアを組織すれば良い。
<提案3>.せめて避難所や町の施設では、無線LANでインターネット接続できるようにしてほしい。
これは、一般住民からくまっしぃ委員に寄せられた要望で、必要な時にいつでも情報アクセスできるようにしてほしいとのもの。
 町役場や支所などには、インターネット回線が入っているであろうから、1〜2万円のルーターや中継器を設置するだけで実現できる。
 できれば、避難所にもインターネット回線をひいてもらった方が良いであろうし、携帯・スマホの充電設備も用意すべき。(避難時には、携帯の充電のためのコンセント争奪があるらしい。)


 また、上記の提案とは別に、次回(6月27日)行われる復興町民会議・全体会の中で提案したい事項として、以下を挙げる。
<提案4>.流木が詰まらないような構造の橋について、至急、研究と検討を開始すべきである。橋の新造・架け替え時に新工法を義務付ける条例化も併せて要望する。「暗渠」についても対策を研究すべき。
これは、狩野川台風の時にも2013年台風26号豪雨の時にも、沢流路にかかる橋に流木がつまって氾濫し、大きな被害が出たことへの反省からの提案である。
 具体的には、「橋に橋脚を立てずアーチ構造にする」「橋を周囲の土地より高く作る」など、橋をくぐる流路には、通常の沢流路よりも広い間口を確保することなどが考えられる。他にも「枝がひっかかりにくいフォルムや材質の欄干の開発」なども必要であろう。
 この提案は、全島の橋をすぐに架け直せというものではなく、予め流木が詰まりにくい橋の構造や設置基準を研究しておき、将来の橋の架け替え工事を実施する機会には、この研究成果に基づく新工法・新基準の橋を設計してもらうための準備である。複数の研究者を集めて依頼する必要がある。

 全島の中でも、大金沢の流路改修や橋の架け替えは、これからすぐにでも検討が始まる可能性があるので、この提案も優先的に出す必要があると考える。

 また、沢にかかる橋には私有物も多数あることから、今後の橋の新造や架け替えの際には、研究された新工法もしくは新基準を義務付ける「条例化」も併せて求めるものである。
 さらには、既存の橋で流木が詰まる可能性の高い箇所を調査して洗い出すとともに、土砂災害の危険地域でこの新基準を満たさない既存の橋については、行政が補助を出して架け替えを促すべきである。

 橋の構造の研究と同時に、沢が「暗渠構造」になっていて豪雨時にオーバーフローする危険性がある箇所についても、併せて対策を研究すべきである。台風26号では、暗渠がオーバーフローして東電付近で大きな被害が出ているが、これも元町だけでなく全島的な問題であろう。

ー 以上 ー