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2014年4月5日土曜日

伊豆大島の砂浜を取り戻そう!!

いたるところで砂浜が消えている


昔の伊豆大島の風景が、現在とはだいぶ違うことは、何かで読んだり、お年寄りからもちょくちょく聞くことがある。
昨日、泉津の住民から話を聞いた記事を書いたが、その方から、他にも興味深い話をいくつか聞いた。

元町の港の辺りは、数十年前までは、今よりずっと沖まで砂浜が続いていて、遠浅のビーチだったという。
今でも、港の辺の海中に潜ると、井戸の跡などその頃の人が住んでいた痕跡が残っているのだという!!

ちなみに、現在の元町港の周辺には砂浜なんてまったくないし、港から少し離れたところにある弘法浜という砂浜も、去年までは砂が少なくて、いわゆる「遠浅のビーチ」ではなかった。
陸地は砂地になっているが、海に入るとすぐに足がつかないくらい深くなって、海中は岩場になっているのである。
(※弘法浜には、去年の災害で大量の土砂が流れ込んだので、今はだいぶ遠浅になっているのではないかと思う。)

その方は、「津波の時の波が引く力で、土が持っていかれて地面が陥没し、海に沈んだのではないか」と話していた。
確かに、1960年にチリ地震の津波があったから、おそらくそれもあるのだろう。

だが私は、人間がコンクリートやアスファルトで陸上を固めてしまったために、海に砂が流れ込まなくなってしまったことが、最大の原因だと思う。
島中いたるところに、「昔は砂浜だったけど今はただの岩場」という、名前だけ「○○浜」という地名がある。

砂浜というのは、陸地から砂が流れ込んできたり、サンゴの死骸が崩れて砂になるなど、新しい砂が供給され続けるから、存在するものだと思う。
常日頃から、波で少しずつ削られているわけだから、砂の供給が止まれば、少しずつではあるだろうが、砂浜は確実に痩せていってしまう

日本中いたるところで、同じように人間が陸から土砂が流れるのを防ぐ構造物を造っているために、砂浜が痩せていって問題になっているのである。

この辺りも昔は「長根浜」と呼ばれる砂浜で、子どもたちの集まる遊び場だったという
(出典:伊豆大島ジオパーク・データミュージアム



なぜ自然の産物である「ガレキ」を島外に持ち出すのか??


私は、美しいビーチを守るために、もっと海に砂を流す仕組みを作るべきだと考えている。
今回の災害で大量に発生した「ガレキ」についても、そのほとんどは「砂」なのだから、これは何とか砂以外のものを分別して海に返してやってほしい・・・と、ひそかに心を痛めている。

ガレキ処理には、今年度だけで50億円以上もの予算が投じられ、そのほとんどは「島外処理」といって、船で本土に運び出しているのである!!!
すべてのガレキ処理をするために、これがあと10年も続くという話も聞いている。

ガレキの主成分(おそらく99%)は、流木と砂という自然の産物なので、そもそもそれをこんなに莫大なお金をかけて「島外で処理する」ような必要が、本当にあるのだろうか???

破壊された家の残骸などは、もちろん産業廃棄物になるので、分別して何らかの処理は必要だろうが・・・産業廃棄物だけを分別して、島外へ搬出し、残った砂や流木は、別に島内のどこかに置いておいて自然に返してやれば、それで良いのではないだろうか???

「島の大地から出た砂を島外に運び出す」というのは、何か不自然な行為なのではないかという気がして仕方がない。

もちろん、海にいっぺんに大量の砂を流しこめば、漁場が荒れて漁師が困るだろうが、少しずつ流れる仕組みを作ればそれほど問題はないはずだ。
海に砂地があれば、その方が生態系が豊かになって、漁業にも好影響のはずである。

そもそも、この島の観光がここまで廃れたことと、砂浜が痩せたり消失していることには、確実に深い関係があるはずである。
砂浜の回復は、この島の経済の回復に於いても、絶対に欠かすことのできない要素だと私は思う。

 ☆

年々、山が小さくなっていっている?!


それ以外にも、泉津の住民の方からは気になることをいくつか聞いた。

まず、泉津の山が、昔より小さくなっている・・・というのである。
山の土が雨で流されて、自分が見ているこの数十年の間に、山が痩せていっている・・・というのだ。

残念ながら、この話はいわゆる「個人の主観」というやつなので、何らかの科学的な裏付けが取れるような話ではなく、本当なのかただの「気のせい」なのか、私には何とも判断のしようがない。

小さくなっていっているというその山には、表面をこんもりと森が覆っているので、「木が生えているところで、本当に土壌の流出が起こるのだろうか??」と、にわかには信じられない気もする。

だが、もしこれが本当なら、それは砂を海に流すという自然の営みのひとつなのか、それとも人間による道路開発の影響などもあるのか・・・その辺も考えていかなければならない。
もしかしたら、伊豆大島には、火山灰が降り積もって山が大きくなる時期と、噴火が沈静化して雨風で山が痩せていく時期とがあって、そのサイクルを繰り返しているのかも知れない・・・。

いずれにしろ、とても気になる証言なので、今後のひとつの課題としてここに記録しておきたいと思う。


歴史の生き証人の声をきくこと


その他にも、「この数十年の間で、海面の推移が体感的に40センチくらい上昇している」という話もしておられた。
これもまた、個人の主観や体感なので、何とも言えないのが本当のところなのだが、確か、科学的なデータでも10〜20センチくらいの上昇はあるということを、どこかで聞いた気はする。

それにしても、人間が生きている数十年という期間で、自然の景観がこれだけ劇的に変わり、そのことを体感できる・・・というのは、何か不思議な気がする。
そういう意味では、この島には歴史の目撃者がたくさん居るので、これからもなるべくお話しを聞いて記録しておきたいな・・・と思うのであった。


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