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2014年3月28日金曜日

椿だってソメイヨシノのようになれるんだ

仮設住宅に入ってからというもの、お天気が良くても、なかなかゆっくり散歩に出ている余裕がなかったのだが、昨日と今日は思い切って、健康のためにウォークキングにでかけたでしー。

ちゃんとウォーキングできたのは、仮設に移ってから、おそらく初めてじゃないかと思う。
今までずっと坂だらけの元町に住んでいたから、散歩(ウォーキング)にでかけるのもひと苦労だったけど、仮設住宅がある北の山地区は、平坦な土地がずっと続いているので、とても歩きやすい!!!

これはありがたいでしー!!!
こんなことなら、ちゃんと毎日ウォーキングしとけば良かった・・・。


それで、歩きながら近所に咲いている椿の花を見てまわったら、改めて驚いたんだけど、けっこう梅や桜に負けないくらい華やかに花が咲き誇っているんだよね。
なにしろ椿というと、そんなに見栄えのするイメージを持っていなかったけど、今までの固定観念が覆されてしまった!!

ウォーキング中に見つけた下の写真の椿の花の多さを見て頂きたい!!

椿の園芸品種は、まるでバラの花みたいでかなり華やか!!

散って落ちた花びらの数だけでもすごいでしー!!!

まぁ・・・これまで寝こみがちで、伊豆大島の中であまり色々なスポットで見て来なかったから、よく知らなかっただけなんだけど・・・。

ただ、色々見てまわって分かったんだけど、伊豆大島でもそこら中に生えている「ヤブツバキ」という野生種は、くまっしぃのイメージ通りで、花も小ぶりだしそこまで華やかではない。
どうやら園芸用に改良された品種が特別なようで、花びらも大きくて、色や柄や形も百花百様に美しく、とても見栄えがよくなっているのだ。

人間の好みに合うように品種改良されて、花の数が増えたり、花びらが大きくなったりして園芸品種が生まれ、それが広く普及していった・・・という流れは、実は桜の歴史でもまったく同じなのである。

もともとの野生の桜というのは、花が咲くのと葉っぱが出るのが同時なので、花が咲いてもそこまで見事な景色になるものではなかった。
一面が花だらけ・・・というお花見でおなじみの風景を見ることができないのである。

桜の野生種というと、伊豆大島に固有の「オオシマザクラ(大島桜) が最も代表的なものだ。
大島桜は、花の色もただ白くて、(ソメイヨシノのように)鮮やかなピンク色ではないし、葉っぱがいっしょに出ていることもあって、どうしても地味というか・・・素朴な感じになってしまう。

大島桜は、葉と花がいっしょに開くんでしー

仮設住宅の前の大島桜の並木の風景も、なかなかきれいでしー

だから昔は、桜の花はそれほど人気がなく、花見の対象でもなかったのだが、江戸時代に大島桜をもとに品種改良が行われ、「ソメイヨシノ」という超有名な園芸品種が生まれた。
ソメイヨシノは、春が来ると、先に花だけが一斉にバッと咲いてくれて、見渡す限り一面がピンクの花だらけになって、人の目を大いに楽しませてくれる。

それ以来というもの、日本中にソメイヨシノが植えられていって、あっという間に野生種は片隅に追いやられてしまい、いつの間にか桜といえばソメイヨシノ・・・ということになっていったのだという。
今ではすっかり、桜は日本人の最も愛する花となったのである。


文明史を勉強しているとよく分かるんだけど、米や野菜などの農作物も、もとは食べられるところの少なかった野生の植物を、人間の役に立つよう品種改良を繰り返して生み出されてきたものなのだ。

だからよく考えてみたら、桜の美しい情景も、椿の花の美しさも、自然本来のものではなくて、とても人工的なものだというか・・・まぁ、人間が自分に都合に合わせて作り出してきたものなんだよね。

まぁそれだからこそ、品種改良を繰り返せば、椿だって、桜と同じように人間好みの素晴らしい咲き具合になるのは、当然のことなのかも知れない。

いや別に、人間好みに作られたものが悪いと言っているわけじゃないよ!!

実は、今でも伊豆大島には、ソメイヨシノの桜は少なくて、野生種の大島桜がそこら中に何百万本も生えているし、椿の木も同じように、圧倒的に野生種のヤブツバキが多いんだ。

なにしろ伊豆大島では、昔から「椿の実」を拾い集めて種から油を搾ることが、生活や経済の重要な一部になっているので、椿の実をとるためにヤブツバキ(野生種)の方が重宝されていたりもする。
椿の園芸品種は、あくまで花を鑑賞するために作られたものだから、実がたくさんとれることとかは考慮されていないからねぇ・・・。

全国的には珍しいことだと思うんだけど、椿でも桜でも、この島では、まだまだ園芸種が普及の途上なのである。

伊豆大島を代表する花というのは、まさにこの椿と大島桜なんだけど、どちらも基本的には野生種・・・ということで、良くも悪くも、昔ながらの素朴な情景が残っているんだよねぇー。

それが観光客向けには、やっぱり地味というか・・・どうしても華やかさが足りなくて、他の観光地に負けてしまっているのかも知れない。
でも、もしかしたら、そういう素朴さが本当の伊豆大島の良さなのかも知れない・・・と思うこともある。

くまっしぃは、野生種の素朴な美しさもなかなか好きなんだけど、やはり何と言っても園芸品種の華やかさには圧倒されるよね!!!

まぁ・・・まだまだものの侘び寂びが分からないだけなのかも知れないけれど・・・でも、もともと人間の美的感覚っていうのは、そういう風にできているんだと思う。
伊豆半島でひときわ有名な河津桜まつりとかで、観光客が一面のピンク色に染まった桜の海をひと目見るなり「きゃあぁぁーー!!!素敵ぃーーー!!!」なんて叫び声をあげるのを見ると、つくづくそう思うでし。

人間は、きっと「単純化された美しさ」が大好きなんだ。
あらゆる余計な要素を取り払っていって・・・人間の理想を純粋化していったような風景・・・そういうものに一番の感動を覚えるようにできている。

それはそれで、人間の「理想化された美しさ」も魅力的だけど・・・でも一方で、自然界の複雑さが織り成す美しさもまた、捨てがたい魅力があると思う。

そこで、明日公開する予定の「伊豆大島トワイライトゾーン」というエントリでは、引き続いて、そんな人間と自然が織り成す不思議な景観を紹介するつもりである。


今回は、園芸品種と野生種の違いについて簡単に紹介してきたんだけど、実は、仮設住宅のすぐ近くに、椿の園芸品種を作っている有名な園芸家の方が住んでいらっしゃるんだよね。
どうもその影響で、この辺りには美しい園芸品種がたくさん植えられているみたい。

自分の体調の良い時があれば、できれば近いうちに、くまっしぃジャーナルで取材させて頂きたいな・・・と考えたりしている。

とにもかくにも、椿の園芸種の美しさや咲き具合の見事さは、とても素晴らしいものなので、ぜひ伊豆大島まで見にきてみて下さいでしー。

でもやっぱり、ソメイヨシノの方が鮮やかに咲くんだよねぇ


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