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2014年8月30日土曜日

豪雨災害が増加しているのは本当なのか??

こんにちは!!!
いつも言い訳ばっかりの、ヘタレくまっしぃです!!!!
ここのとこ長いこと、更新がたま〜〜になってしまってごめんなさい!!!

広島で発生した痛ましい土砂災害について、「伊豆大島ニュース」ツイッターの方に先行して書いているんだけど、こちらではそれらをまとめてもっと詳しく書こうと思っていて、なかなか手が回らないでいるです〜〜〜!!!

とりいそぎ、まずは書き上がったこちらの記事をアップするです〜〜〜!!!!


気候変動で集中豪雨が増えているのが本当なら・・・・


以前から気になっていたことがある。
マスコミが常日頃から、「地球温暖化や異常気象で、年々、集中豪雨が増えている」と報道しまくっていることだ。

それに乗せられて、私もついついそういう風に考えてしまいがちで、「これから、もっと同じような災害が起きるのではないか」と思ってしまう。
(※実際に南木曽町や広島で起きているし・・・。)

自分自身が、この島で何十年・何百年に一度といわれる大規模な土砂災害に巻き込まれたこともあって、どうしても「ありえない異常気象が起こっているのではないか??」という危機意識に捉われてしまうのだ。

そして・・・・実際に気候変動が年々激しくなっているのだとすれば、伊豆大島や広島と同じような土砂災害の被害が今後もますます増えていくことになるわけで、これまでの防災の考え方では「とうてい追っつかない」ということになってくる。

しかし・・・・。
本当にそうなのだろうか???
本当に集中豪雨は、年々増えているのだろうか???
集中豪雨も土砂災害もずっと昔からあるものだし、もしかしたらマスコミや政府お得意の「情報操作」によって、豪雨や災害が増えているという印象を植え付けられているだけではないのか???
・・・・という疑念が、一方では頭の片隅に常にあるのである。

ここはひとつ、統計データやちゃんとした専門家の意見を調べて、客観的な状況を確認してみないとな・・・・。
などと思っていたら、静岡大学の牛山素行教授が、「“豪雨災害という特殊な現象が近年激化している”というのは大ウソだ」とツイッターでつぶやいているのを見かけた。

そこで、思い切って、私の疑問点をツイッター上で質問させて頂いた。
以下が、その質疑応答の内容である。


静岡大学・牛山素行教授とのツイッター質疑応答





教えてもらったサイトを見てみたものの、集中豪雨が増加しているかどうかは、はっきりと書かれていない。
「見方によっては増加している」という、どっちとも取れる表現である。
むしろ、ニュアンスを深読みすると、集中豪雨の増加についても疑問を持っているようにも受け取れる。

調べてみたら、気象庁も、集中豪雨は「年々増加している」という統計データをとりまとめて発表していたので、それを示しつつ再質問してみた。
(※この「集中豪雨が増えている」という統計データにしても、そもそも、年々観測地点が増えているという影響もあるかも知れないので、そのまま鵜呑みにもできない。)








ここで私が指摘しているのは、世間やマスコミは、
「昔よりも防災対策が進んで風水害の被害が激減していることはちゃんと認めている。」
その上で、
「最近の気候変動によって、既存の防災対策が追いついておらず、今また災害による被害が増えつつあるのではないか・・・・と危惧している」
のではないか・・・・ということである。

つまり、世間の言いたいことというのは、
「これだけ文明が進んだ現代社会で、我々文明市民が、前近代的な自然災害に巻き込まれるなんて、大変けしからん事態だ!!」
ということだと思うのである。
まぁ、それはそれで、文明社会に特有の一種のヒステリーなのであろうが・・・・。

牛山教授は、どうもその辺のニュアンスを読み違えているのではないだろうか、と感じる。




確かに土砂災害による人的被害は減っているものの・・・・


聞きたいことはまだまだたくさんあったのだが、どうもこれ以上の回答は得られなさそうな雰囲気を感じたので、これ以上しつこく質問することは断念した。

私がさらに突っ込んで聞きたかったことは、
・ここで「被害が減っている」と言われているのは、自然災害全般もしくは風水害全般の被害のことであろう。
土砂災害単体で見た場合には、本当に被害は減っているのか???

・少なくともこの数年の土砂災害に限っては、2012年阿蘇、2013年伊豆大島、2014年広島と大きな被害が立て続けに発生しており、被害が増加する傾向が出ているのではないか??

・これまでは既存の防災対策によって被害が減ってきているのだとしても、一方で、気候変動によって集中豪雨が増加してきているのが事実であるならば、今後は土砂災害の被害も増加に転じる可能性が高いのではないか??
といったことである。
いずれも、きわめて重要な疑問であろう。

牛山教授の主張は、「風水害全般」「自然災害全般」の被害は減っている・・・・ということだ。
確かにそれは間違いなくそうだろうが、はたしてそこに土砂災害の被害も含めてしまっても良いのだろうか。

前後の一連のツイートが広島の土砂災害の関連のことであるだけに、ここではニュアンス的に見ても、明らかに土砂災害についても含めて言及されているものと思う。
けれども、牛山教授の示したページには、土砂災害についての統計データは載っていないので、土砂災害の被害が、本当に他の自然災害と同じように減少しているのかどうか・・・・実のところよく分からなかった。

そこで、後からさらに調べてみたところ、京都大学防災研究所の年報に、土砂災害についての統計データが見つかった。
 → コチラからダウンロードできるでしー。(※PDFファイル)

これを見ると、土砂災害の統計が取られ始めたのは、何と!!つい最近の1982年以降ということなのだが、それでもこの30年ほどで土砂災害による人的被害が、右肩下がりで下がっていることが明瞭に分かる。
災害の発生数はゆるやかに増加しているものの、確かに人的被害は年々少なくなっている。
(※資料2ページのFigure1.を参照。)

集中豪雨の増加に伴って土砂災害も増加してはいるが、また一方で、行政が進めている防災対策(主に砂防工事か??) によって、人家に及ぶ被害が確実に減少している・・・・ということであろう。

これだけを見ると確かに、防災対策によって年々被害が減ってきているという意味で、牛山教授の言っていることは正しいし、行政が無為無策で被災が繰り返されているという一部の人たちの主張はどうも間違っている・・・・ということになるようだ。


実態の土砂災害の被害は、「緩やかに減っている」のが実情では??


しかしながら・・・・1982年〜2010年までの「減少トレンド」にしても、「たまたま」だった可能性もあるわけで、まだまだ詳しい検証が必要なのである。 

例えば、土砂災害というのは、たいていの場合は地方(田舎)で発生している。
そして、統計が取られ始めた1980年代以降というのは、地方では急激に過疎化が進んで、人口そのものが減少しているのである。
つまり、それによって被害が少なくなった・・・・という「統計マジック」に過ぎないのかも知れないのである。

ところで・・・・統計を見ると1982年だけ突出して死者数が多いが、これは都市部である長崎で土砂災害が発生し、1回の土砂災害で262名もの人が亡くなっているのだ。 

今回の広島にしろ、1982年の長崎にしろ・・・・急斜面の直下に住宅街が広がっているような都市部で土砂災害が発生すれば、たとえ小規模な災害であっても膨大な犠牲が発生する。

他にも神戸など山すそに広がっていて危険な都市は多数あるが、それでも、そうした危険な都市部が日本全国に占める割合は、面積で見ると極めて小さい
だから、都市部の人口密集地域に、強烈な集中豪雨が発生して土砂災害が起こることは珍しく(10〜20年に1度くらいの割合か??)、統計上は「イレギュラー」に近いデータなのかも知れないと思う。

単に、人口の多いところで土砂災害が発生すれば被害が増えるし、人口の少ないところで発生すれば統計上の被害は少なくなる・・・・ということであれば、この統計が本当に「防災対策で被害が減少している」証拠になるのかどうか・・・・少々あやしくなってくる気もする。

もちろん・・・・昨年の伊豆大島の土砂災害でも、仮に砂防ダムが存在しない状態で同じ量の土石流が流れ下ってきたとしたら、被害は確実に10倍以上になったであろうから、別にこれまでの防災対策を否定するつもりはない。

砂防対策がしっかりなされているエリアでは、確かに被害が減っているかも知れないが、危険な箇所があまりに多過ぎて対策が充分にされていない地域がまだまだ多いのである。
しかし現実的には、全国津々浦々、充分な砂防対策が行われていない地域の方がまだまだ多いであろうから、無対策または対策が不十分なまま、土砂災害にさらされる地域が少なくない。

従って・・・・統計的には、被害を「緩やかに減らしている」というのが実情のはずで、土砂災害に関する限りは、「防災対策が被害を激減させてきた」というのは、どうも言い過ぎな気がする。

そもそも1982年以前には、土砂災害についての統計自体が存在しておらず、洪水や高潮などの通常の風水害といっしょくたに扱われているらしい。

確かに、風水害については、かつては1度に数千人・数万人規模の死者が出るのが当たり前だったが、堤防や防波堤などの防災インフラの整備によって、劇的に被害を少なくしている。
けれども土砂災害については、他の災害と事情が異なると思う。

土砂災害では、昔から被害の規模は1度に数人〜数百人で変わってはいないし、砂防ダム以外には、根本的な対策というものがまだ開発されていない。
砂防ダムなどの事業にしても、先に述べた通り行き渡っていない地域が多いのだから、劇的に減っているということは、どうも考えにくい。

つまり、「風水害の被害は激減しているが、土砂災害の被害はゆるやかに減少している」というのが、実情を表す妥当な表現であるのではないだろうか。


気候変動が事実なら、土砂災害による被害が増える可能性も高い


一方で、ここ数十年のスパンで見ると、集中豪雨が年々じわじわと増加しているのが事実であるならば、それに伴って、これから土砂災害による被害が増加していく恐れがある・・・・ということになるのではないだろうか。

何と言っても、この統計データは、1982年〜2010年という限られたスパンのものなので、2012年阿蘇、2013年伊豆大島、2014年広島、というここ数年の大きな被害については含まれていないのである。

上記の3つの大きな災害を考えれば、少なくとも2012年以降は、土砂災害による被害は、再び「増加トレンド」に入っていることは確実である。
気候変動が事実であるならば、来年以降にしても引き続き大きな土砂災害の被害が増加していく可能性はあるだろう。

・・・・もっともそうは言っても、私としては、気候変動や集中豪雨の増加についても、まだそのまま信じるわけにはいかない。
何しろ、研究者によっては、「地球が温暖化していることを示すデータはない」と主張している人もいるのだ。
どんなことでも、安易に信じるべきではない。

それでも踏み込んで言っておくと・・・・確証はないのだが、私としては暫定的に「地球温暖化はほとんど進行していないが、海水の温度は上昇しており、それによって気候変動が起こっている」のではないかと考えている。

地球規模の気候変動は確かに起こっているように思われるが、それは二酸化炭素などによる地球温暖化の影響というよりも、むしろ海水温の上昇に原因があるのではないか・・・・ということである。
何しろ・・・・原発を始めとして、人間の文明活動によって海洋に垂れ流されている「温排水」の量はすさまじく、それによって海水温は間違いなく上昇しているであろう。
それでもこれは、現段階の一時的な考えにしか過ぎないので、今後また判断を変えるかも知れない。

いずれにしろ・・・・この直近数年間の「増加トレンド」が、一時的な「たまたま」のものなのか、それとも気候変動によってこれからもどんどん同じような被害が増えていく「兆候」であるのか・・・・今後も注視して見ていかなければならない。

そして・・・・もしこれから土砂災害や被害が増えていくのであれば、それに見合った対策を、きちんと考えて実行していかなければならないのである。

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