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2014年6月27日金曜日

かくして、くまっしぃの提案は1行に要約されていった

こんにちは!!!
最近テレビで、毎晩ヌイグルミを抱いて寝る「ぬいぐるみ男子」なるものが急増している・・・という話題を見まして「へぇ、イマドキはそうなんだぁ・・・」などと普通に驚いていたら、娘たちから「あんたのことじゃん!!」と言われてしまった、くまっしぃです!!!
あれれ???そーだったのか????

それにしても、ここのところ、「復興町民会議」の話題ばかりになってしまって、しかもその話題も飛び飛びにしか書いていないので、伊豆大島の動向をお伝えする役割をきちんと果たせていなくて、誠に面目なく思っているですー。

それでも、何とか少しずつでもお伝えしていきたいと思っているでしー。

サンセットパームラインから見る、伊豆半島に沈む夕陽

会議というのは、あくまで政治的な場であって・・・


ところでまぁ、くまっしぃがやっているような、行政に働きかけたり、情報を世間の皆様にお伝えするような活動は、堅苦しい言い方をしてしまえば一種の「政治活動」ということになるわけなんだけど・・・・世間知らずなヌイグルミ男子には、その辺の世の中の仕組みが、まだよく分かっていないのである。

例えば、「復興町民会議」というものは、言ってみれば「町民が自由に意見を述べられる場」「町民の声を今後の復興に反映させる機会」ということなので、くまっしぃとしては、これは大変に画期的な機会になるだろうと期待していたわけなのである。

だが実際に関わってみて分かってきたのだが、会議というものは、まず第一に行政サイドからの提案を「承認する場」という機能があり、 第二に「住民の総意をまとめる場」である。
いずれにしろ、結局は数の力が物を言うのであり、個人で提案する事柄は、全体の流れの中では簡単にかき消されてしまうのである。

会議というものは・・・・ざっくり言って普通の「議会」というものと、本質的にはまったく変わらないものだということが、中に参加してみてよく分かった。
自分の意見や提案を通すためには、仲間を集めてグループ(つまり派閥??)を組んでいかなければ、難しいだろう。

正直なところを申し上げれば、私は世界の政治の流れは既存の「議会制民主主義=間接民主制から国民1人1人が物事を決める直接民主制に向かって変革していると思っていて、今回の「復興町民会議」もそういう新しい流れになるかと期待していた。

だがまぁ、よく考えてみれば・・・会議なんてものはもっとも古くさい政治手法であって・・・我が日本国でも、古くから物事を決めるのは会議というシステムを使っていたわけだ。
この極めて伝統的なシステムに、革新的な動きを求める自分の方が、明らかに間違っていた。

会議というのは、議会選挙のような形をとっていないだけで、有志の町民や町の有力者が集まって、根回しや多数派工作を駆使しつつ、物事を決めていくわけである。
あくまでも伝統的な間接民主制のシステムそのものであった。

伝統と言えば、日本にも会議をベースにした間接的民主制度が古くから存在していたことは、一般的にはあまり知られていない。
だが、戦国大名ですらも政治方針を決めるには、基本的には会議を開いて家臣の承認を求めなければならなかったのだ。
(※この慣習を破ったのが、日本史上唯一の独裁者である織田信長なのだが、その辺の話はまたいずれ。)


無数に寄せられる提案は、ほとんど実現されない


さて・・・・この会議では、多数の住民から要望が寄せられることは、最大限実現に向けた努力が払われる。
具体的には「砂防ダムより下流の沢流路を拡幅してほしい」との要望が多数出されており、これには行政も重い腰をあげて実施に向けて動き始めている。

だが、それ以外の無数の提案の数々は、ただ「こういう要望がありました」として報告書に言葉が羅列して記載されていくだけで、実現に向かうかどうかは極めて不透明だ。

実現に向かわなくとも、とにかく「意見を聞きました」という既成事実ができるわけで、住民の意見を無視せずに尊重したことになるわけである。

しかも、会議で提言される内容の多くは、どの道、言われなくても行政が実施に向けて準備しているようなことばかりだったりするので、わざわざ言っても言わなくても結果は同じだったりする。
つまり実現されるものは、会議で提言されなくても実現されるし、そうでないものはいくら提言してみても、意見として文書には残るが、実際にはほとんど実現してもらえない。

まぁ・・・こうした会議以外にも、町役場や町長のもとには、色々な人から無数の提案や意見が毎日寄せられているわけなので、それらすべてに前向きに対応するなんてことは、物理的にもできるわけがない。
なので結局は、とにかく最大限に「意見を集約」して「できることをやる」ということになってしまう。

それはそれで、ひとつの「民主的な仕組み」ではあるのだが、そうすると、とかく少数意見は無視されがちだし、必ずしも合理的な判断に基づいて物事を決めることができなくなる。
しつこいようだが、「政治的な場である」ということは、必ずしも「論理的に物事を話し合って決める場」ではないということを意味していると、私は捉えている。


個人で具体的な提案を出しても、残るのは抽象的な一文だけ


ところで・・・下記に掲載するのは、私が先日の「防災まちづくり分科会」に提出した提案書である。
具体的かつ詳しく内容を考えて提案してみたものの、多人数での限られた時間の議論の中では、どうしても「あたりさわりのない文言に内容を要約して報告書に載せる」ということになってくる。

そうすると、これだけ具体的で詳しい提案を出したとしても、「ツイッターを利用した住民からの情報の共有を図ってはどうか」「流木が詰まりにくい橋の構造の検討・研究を希望する」といった感じの、実効性のない一文に要約されてしまうことになる。

個人個人が、いくら具体的な提案・提言を出したとしても、会議の過程でどんどん削られていってしまい、あたりさわりのない抽象的な内容だけが最後に残されることになるのだ。

もちろん、これは会議というシステム上、どうにも仕方ないことで、多数派を形成して圧力をかけない限りは、最終的な報告書(いわゆる「復興計画」に、自分の意見を何とか一文にして挿入するのが関の山なのである。

別にそれをどうこうクサスつもりではなく、そういう「世の中の仕組み」というものが、ようやくこのニブイくまっしぃにも分かってきた・・・ということでしー。

それでもとにかく、「ツイッターの活用」「情報の共有システムを作ろう」「橋の構造を考えるべき」などの文言を、たったひと言でも復興計画に入れておかないと、最初から「問題がなかったことになってしまう」ので、個人としては、後々のためにもひたすらそういう努力をしていくしかない。

「復興計画」のような公的な文書に、こうして一文でも課題や提案を入れていくことこそが、ひとつの地道な政治活動なのかも知れないと考えている。
と言っても、それ以外にもできることは色々あって、物事を実現させていくためには、提言するだけでなくそれ以上に様々なアプローチが必要なのだが、それはまた別の機会に書きたいと思う。

※以下は、「防災まちづくり分科会」にて提案した内容


防災まちづくり分科会・提案 (6月20日 くまっしぃ委員)

 6月15日北の山防災説明会にて、「防災無線が聞き取れない。あるいは聞き逃して困ることが多い。後から、防災情報がテキストベースでも見られるよう、無線だけではなくタブレットのようなシステムにも対応してほしい」との要望が出された。
 これに対して行政側からは、「業者からシステムの売り込みは多数来ているが、予算がだいぶかかるのでなかなか難しい。・・・・いちど業者にきいてみる。」との心もとない回答があった。

 先日の本分科会でのS委員からの「住民からの災害情報を集めるシステムを作ってはどうか」という提案と併せて、どちらも簡単になおかつほとんどコストをかけずに実現する方法があるのにも関わらず、業者任せの高コストのシステムしか考えないのはナンセンスである。

 先日の2014年大豪雪(2月14日〜15日)の災害の折、長野県佐久市では、ツイッターを使って住民からの情報を集め、市全体の被災状況を迅速に確認し、どこの自治体よりも早く指示・対応することができたという。
 これにかかったコストはゼロである。
 大島町でも、既に「防災おおしま」(※防災無線)の情報をツイッターで流しており、基本的にはこれの延長線上で良い。
<提案1>.災害時には、「防災おおしま・ツイッター」に住民からの情報の投稿を受け付けることを呼びかける。
これによって行政が情報を集めることができるだけでなく、住民同士でも情報の交換や共有が行えるようになる。情報の共有は、パニックを防ぐ意味でも重要であろう。
<提案2>.業者を一切使わず、自前で情報端末(スマホ・タブレット)を調達し、通信回線も自前調達すれば、予算はほとんどかからない。
自前のスマートフォンなどで「防災おおしま・ツイッター」が見られる人は、<提案1>の内容で充分であるが、自力でツイッターが見られない人には廉価な情報端末の配布や、使い方のレクチャーなどの支援が必要であろう。
 情報端末を業者を通さずに自前で調達した場合、国内メーカーのものであっても「スマートフォン1万円、タブレット2万円」程度であり、4万円以上かかる防災無線端末よりかなり低コストである。そればかりか近日中に、民間の国際組織から「25ドルスマートフォン」(firefox phone)が発売されることも決定している。
 通信回線も一括でドコモ携帯回線を法人契約した場合、端末1台あたり月額400円程度である。
 予算がとれないとする場合には、有志の住民だけが自己負担で申し込む形もありうるのではないか。そうすれば予算はゼロでも実現できる。
 端末の初期セッティングも「防災おおしま・ツイッター」が見れるようにするだけで簡単なので、町職員だけでなく、町内支援ボランティアを組織すれば良い。
<提案3>.せめて避難所や町の施設では、無線LANでインターネット接続できるようにしてほしい。
これは、一般住民からくまっしぃ委員に寄せられた要望で、必要な時にいつでも情報アクセスできるようにしてほしいとのもの。
 町役場や支所などには、インターネット回線が入っているであろうから、1〜2万円のルーターや中継器を設置するだけで実現できる。
 できれば、避難所にもインターネット回線をひいてもらった方が良いであろうし、携帯・スマホの充電設備も用意すべき。(避難時には、携帯の充電のためのコンセント争奪があるらしい。)


 また、上記の提案とは別に、次回(6月27日)行われる復興町民会議・全体会の中で提案したい事項として、以下を挙げる。
<提案4>.流木が詰まらないような構造の橋について、至急、研究と検討を開始すべきである。橋の新造・架け替え時に新工法を義務付ける条例化も併せて要望する。「暗渠」についても対策を研究すべき。
これは、狩野川台風の時にも2013年台風26号豪雨の時にも、沢流路にかかる橋に流木がつまって氾濫し、大きな被害が出たことへの反省からの提案である。
 具体的には、「橋に橋脚を立てずアーチ構造にする」「橋を周囲の土地より高く作る」など、橋をくぐる流路には、通常の沢流路よりも広い間口を確保することなどが考えられる。他にも「枝がひっかかりにくいフォルムや材質の欄干の開発」なども必要であろう。
 この提案は、全島の橋をすぐに架け直せというものではなく、予め流木が詰まりにくい橋の構造や設置基準を研究しておき、将来の橋の架け替え工事を実施する機会には、この研究成果に基づく新工法・新基準の橋を設計してもらうための準備である。複数の研究者を集めて依頼する必要がある。

 全島の中でも、大金沢の流路改修や橋の架け替えは、これからすぐにでも検討が始まる可能性があるので、この提案も優先的に出す必要があると考える。

 また、沢にかかる橋には私有物も多数あることから、今後の橋の新造や架け替えの際には、研究された新工法もしくは新基準を義務付ける「条例化」も併せて求めるものである。
 さらには、既存の橋で流木が詰まる可能性の高い箇所を調査して洗い出すとともに、土砂災害の危険地域でこの新基準を満たさない既存の橋については、行政が補助を出して架け替えを促すべきである。

 橋の構造の研究と同時に、沢が「暗渠構造」になっていて豪雨時にオーバーフローする危険性がある箇所についても、併せて対策を研究すべきである。台風26号では、暗渠がオーバーフローして東電付近で大きな被害が出ているが、これも元町だけでなく全島的な問題であろう。

ー 以上 ー

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